眼に異物が入ったら
普段生活している中において、眼の中に異物が入ることは珍しいことではありません。歩いていて、虫やホコリなどが眼に入ったという方も多くいることでしょう。異物を排除しようと目を擦ったりすると眼球を傷つけることもあるので、除去が困難であれば直ちに眼科を受診するようにしてください。なお異物が眼の中に入った場合、主に結膜異物、角膜異物、眼内異物に分類されます。
結膜異物
結膜異物は結膜の中に異物が入っている状態で、虫、睫毛、コンタクトレンズ、金属片(鉄粉等)といった異物が上まぶたの裏側や白目部分などにある場合を言います。異物感や眼痛といった症状のほか、目の充血や目ヤニの増加、流涙なども見られます。治療としては、異物を洗い流す、まぶたの裏側に異物が存在する場合はその異物を除去するなどの処置が行われます。入ってしまったら、とにかく目をこすらないようにしてください。目に中を洗っても気になる、除去できないという場合は、一度ご受診ください。
角膜異物
角膜に異物が入っている状態が角膜異物です。この場合、金属片、ガラス片、プラスチック片、植物などが入っているケースが考えられます。結膜異物よりも異物感や眼痛の症状は強く、まぶしく感じる、目の充血、流涙、視力低下などの症状がみられます。なお鉄片が角膜内に入るとその錆びによる角膜混濁がみられるほか、感染症が現れることもあります。治療では、異物の除去と感染症予防(抗菌薬の投与)が行われます。除去については主に外来診察室の細隙灯顕微鏡下で行います。また穿孔がある場合は縫合が必要になります。
眼内異物
眼球内に異物が入った状態が眼内異物です。この場合、鉄粉などの金属片が入るケースが多い(ドリル、ノミ、ハンマーを使用した際に鉄片や石などが眼の中に入る など)のですが、侵入した部位によって症状は異なりますが、視力障害や目の充血といったものがみられます。なお、鉄片や銅片が入ってしまうとこれらの成分が眼内で溶けだして、様々な障害(白内障、緑内障、網膜剥離、色素沈着 など)が起きるようになります(眼球鉄症)ので早めの治療が必要です。治療については、手術療法による異物の除去になります。また感染症防止のための抗菌薬の投与も行われます。