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網膜の病気・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症

網膜の病気とは

網膜の病気とは

網膜の病気とは、網膜に何かしらの異常や症状が起きることで発症する疾患のことを言います。そもそも網膜とは、眼球壁の最も内側の面にあるもので、ここには視細胞があるなど、視覚に重要な役割がある部位でもあります。

代表的な疾患には、網膜剥離、網膜の血管に障害が生じることで起きる網膜循環障害、網膜の中心にある黄斑部に生じる疾患(黄斑疾患)、網膜の広い範囲に渡って変性がみられる網膜変性疾患、網膜やその血管に腫瘍が発生する疾患などがあります。

主な網膜疾患

  • 糖尿病網膜症
  • 網膜静脈閉塞症
  • 加齢黄斑変性
  • 網膜剥離(裂孔)
  • 黄斑円孔・黄斑上膜

など

代表的な網膜疾患

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症はこちら ≫ 糖尿病網膜症のページ

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性はこちら ≫ 加齢黄斑変性のページ

網膜剥離(裂孔)

網膜はその構造上、硝子体と接していますが、これが加齢などの原因によって収縮、もしくは変性するようになります。その際に強く癒着した状態にあると硝子体に網膜が引っ張られるようになって、その結果として網膜が裂けることがあります。これを網膜裂孔と言います。また裂けることで穴が開き、液化した硝子体が網膜下に入り込むようになると網膜がだんだん剥離するようになります。この状態を裂孔原性網膜剥離といいます。裂孔原性は、加齢以外にもアトピー性皮膚炎や鈍的な外傷によって発症することがあります。

また、網膜は裂けないものの脈絡膜の血管の液体成分が網膜下に漏出することで網膜の剥離が起こったり、硝子体や増殖組織が網膜表面に癒着することで網膜が牽引され剥離することがあります。これを非裂孔原性網膜剥離と言います。なお網膜下の漏出(滲出性網膜剥離)は、ぶどう膜炎や中心性漿液性脈絡網膜症などの患者様にみられ、網膜の牽引(牽引性網膜剥離)は増殖糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などによく見受けられます。なお網膜剥離の全患者様の8割近くの方が裂孔原性網膜剥離の患者様です。

網膜剥離を発症することによる主な症状ですが、視野欠損や視力低下といった症状がみられます。さらに裂孔原性網膜剥離の患者様では、発症初期に飛蚊症や光視症(光のない場所でも光を感じる)が現れます。

治療について

網膜裂孔の状態であれば、何も処置せずにいるとやがて網膜剥離へと移行するので、裂けた部分にレーザーを照射して固めて剥離化を防ぐようにする網膜光凝固が行われます。

網膜剥離(裂孔原性網膜剥離、牽引性網膜剥離)の場合は硝子体手術となります。これは網膜を引っ張る(あるいは牽引する)硝子体を吸引すると同時に灌流液を流し込み、特殊なガスを注入して網膜をくっつけていくという内容になります。また、裂孔原性網膜剥離で硝子体が萎縮していない若い方や、裂孔が網膜周辺にある場合には、冷凍凝固によって強膜の上から圧迫を加えて内側から眼球をへこませて剥がれた網膜をくっつける強膜内陥術を行うこともあります。なお漿液性網膜剥離の患者様は、原疾患の治療が優先されます。

網膜静脈閉塞症

網膜全体にわたり分布している網膜静脈が何らかの原因で閉塞したことで網膜が出血し(閉塞によって新生血管が発生してその血管が脆いことで起きる)、そのことで片側の眼に視力障害が起きるほか、視野障害や変視などがみられている状態を言います。閉塞している部位によって、網膜中心静脈閉塞症(CRVO:網膜静脈の根元が閉塞している)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO:静脈の分枝が閉塞している)と診断されます。なおCRVOを発症すると何の前触れもなく片目の視力障害が起き、BRVOでは静脈が閉塞した部位で視野の欠損をはじめ、網膜の中心である黄斑部に浮腫があれば視力障害などが急激に見られることがあります。このほか無症状なこともあります。なお同疾患の発症原因は、高血圧、動脈硬化などが挙げられています。また網膜静脈閉塞症は、合併症として、硝子体出血や血管新生緑内障を併発することもありますので要注意です。

治療について

診断をつけるための検査としては、眼底検査で静脈の拡張の確認などをし、光干渉断層計で黄斑浮腫の有無を確認するなどして判断します。診断の結果、治療が必要と医師が判断し、黄斑浮腫がみられていれば眼球内に注射する硝子体注射(抗VEGF薬)、新生血管が原因であれば網膜光凝固(網膜レーザー)や硝子体注射(抗VEGF薬)が行われます。

黄斑円孔

黄斑円孔とは、黄斑と呼ばれる網膜の中心部にある直径1.5mmほどの範囲で、この中心窩に孔が開いた状態を言います。加齢や鈍的な外傷によって起きるとされ、孔の直径は0.5mmほどで、片目にのみ起こることが多いので両眼で物を見ていると気づきにくいこともあります。そのため、たまたま片目で物を見て気づいたということも珍しくありません。黄斑部については視細胞がたくさん集中している箇所でもあるので、少しの孔だとしても、その影響は多大です。

先にも触れましたが、孔の開く原因は、加齢に伴って生じる硝子体の萎縮が関係しているとされ、硝子体の萎縮時に黄斑部の網膜に強い癒着があることで引っ張られ、それが続くことで徐々に網膜に亀裂が入ることで、孔が開くようになると言われています。好発しやすい世代は60歳代で加齢の場合が多く、女性患者の割合が高いのも特徴です。このほか、強度近視、鈍的外傷(目の打撲 など)などが引き金となって発症することもあります。

同疾患を発症すると視力低下、変視(ゆがんで物が見える)といった症状がみられ、さらに進行すると中心暗点(見ようとするものの中心部分が暗く見える)も現れます。

治療に関して

患者様にみられる症状や訴えなどから黄斑円孔が疑われたら、診断をつけるための検査として、主に眼底検査、光干渉断層計(OCT)などを行います。眼底検査では、円孔部の大きさや位置を確認し、OCTでは網膜の断層像を観察することができるので、部位の欠損具合を確認することができます。

検査の結果、治療が必要と医師が判断すれば硝子体手術となります。具体的には、まず網膜を引っ張っている硝子体と網膜上膜を取り除きます。そして硝子体の代替えとして潅流液と特殊なガスを注入し、ガスの浮力を利用して網膜を黄斑部にくっつけることで円孔を解消していきます。この治療では、手術後の注意も必要で、網膜がくっつくまでは3日ほどうつむいた姿勢で過ごさなくてはなりません。

黄斑上膜

後部硝子体剥離は、加齢が原因で起きることが多く、その際に剥がれた硝子体膜の一部が黄斑部の周囲を覆い、そこに新たな細胞が増殖することで膜が形成されることがあります。これが黄斑上膜です。さらに、この膜が収縮して周囲の組織を引っ張るようになるといくつかの症状がみられるようになります。

具体的には、膜にしわが寄ることで物がゆがんで見える変視で、これは同疾患の初期症状です。このほか、視力低下も非常にゆっくりですが、見受けられるようになります。

この後部硝子体剥離による黄斑上膜については、50歳以上の方に好発しますが、ほかにも網膜循環障害、糖尿病網膜症、ぶどう膜炎、網膜裂孔などに起因して、続発性の黄斑上膜を発症することもあります。

治療に関して

診断をつける検査には、眼底検査や光干渉断層計(OCT)といったものが行われます。なお黄斑上膜と診断されても、進行がゆっくりだったりするので、まずは経過観察として一定の間隔で通院することになります。その後、視力低下や物がゆがんで見えるなどの症状が激しくなって、日常生活もままならないようになると治療として黄斑円孔と同様に硝子体手術が行われます。同手術では、硝子体を除去した後に黄斑部を覆っていた膜を取り除くという内容になります。


加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性とは

主に加齢が原因で黄斑部(網膜の中心で直径約1.5mmの範囲)に変性の疾患が現れている状態が加齢黄斑変性です。発症することで、視力低下、見ようとするものの真ん中が見えにくい、変視といった症状が見られるようになります。さらに病状が進行すると視力が著しく低下して、色の識別も困難になっていきます。

なお同疾患は高齢者の失明原因の一つでもあるのですが、先に挙げた加齢のほかにも、喫煙や日頃の食生活、紫外線曝露といった環境要因や遺伝的要因も関係すると言われています。なお加齢黄斑変性は、50歳以上の患者様が対象となるので、それよりも若い方に同様の症状があるとされるのであれば、他の疾患が考えられます。

「滲出型」と「萎縮型」

加齢黄斑変性は、黄斑部に脈絡膜新生血管が発生することで出血や血液の染み出しがみられる滲出型(新生血管自体は脆いので出血しやすい)と老化によって網膜の細胞と脈絡膜が徐々に死滅していき、黄斑の機能が時間をかけて損なわれていく萎縮型の2つのタイプがあります。発症の有無については、眼底検査、OCT(光干渉断層計)、蛍光眼底造影によって診断がつきます。多くは片目に発症していることが多いですが、加齢に伴って両目で症状がみられるケースが増加していきます。

治療について

滲出型の加齢黄斑変性と診断された場合は、直ちに治療が開始されます。病変部によって内容は異なりますが、脈絡膜新生血管が黄斑部の中心(中心窩)にある場合は、同血管を消退させるための抗VEGF薬による硝子体注射を行い、医師が必要と判断すれば光学力学療法も併用します。同注射は点眼麻酔等を行った後に眼球に直接注射をして数分で終了しますが、何度か通院して繰り返し注射を打たなくてはいけません。また、脈絡膜新生血管が黄斑の中心窩の外にある場合は、網膜光凝固(レーザー治療)によって同血管を凝固あるいは破壊させるようにします。

一方、萎縮型の加齢黄斑変性と診断された場合、現時点で有効な治療方法は確立されていません。そのため経過観察として、一定の間隔で通院いただくことになります。ちなみに滲出型のような状態になるには、10数年ほどかかると言われています。


糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症とは

糖尿病三大合併症のひとつで、糖尿病を発症している患者様に起きる病気です。そもそも糖尿病とは血糖値(血液中に含まれるブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなっていることを言いますが、この状態が続くことは常に血管を損傷させていることでもあり、やがて細小血管からその影響が出るようになります。なかでも網膜は細小血管が集中している場所でもあるため、障害を受けやすくなっています。

なお糖尿病を発症したからといって、すぐに糖尿病網膜症を併発するということはありません。糖尿病を罹患してから数年~10年後に起きるとされていますが、ただ糖尿病は発症して間もなくは自覚症状がほぼないという特徴があります。そのため多くの方は、発症に気づいたとしても、いつから発症しているかはわかりません。したがって、その時点でこれといった眼症状がなくても定期的に眼科で検査を受けるようにしてください。ちなみに糖尿病網膜症も糖尿病と同様に初期症状が出にくく、かなり進行してから、霧視(目のかすみ)、飛蚊症、視力低下といった症状が見受けられるようになります。

なお予防対策については特別なことをする必要はなく、糖尿病治療で行う血糖のコントロール(生活習慣の改善(食事療法、運動療法)、経口血糖降下薬による薬物療法 など)と定期的な眼科の通院で発症や進行は抑制できると言われています。ただ、これといった治療をせず放置が続けば、失明をする可能性もありますので、とにかく早期発見・早期治療が重要です。

治療について

発症の有無については、主に眼底検査をすることで確認できます。その結果、糖尿病網膜症と診断されると治療が行われます。ただ、その内容については病状の進行具合によって異なり、主に単純網膜症(糖尿病網膜症の初期)、増殖前網膜症(糖尿病網膜症の中期)、増殖網膜症(糖尿病網膜症の進行期)に分類されます。それぞれの治療法については以下の通りです。

単純網膜症

単純網膜症は、網膜に浮腫あるいは出血がみられている状態ですが、自覚症状がみられることはありません。この場合は内科で行う血糖のコントロールが主な治療になりますが、自覚症状がなくても悪化している場合があるので、定期的に眼底検査を受けるようにしてください。

増殖前網膜症

増殖前網膜症は、網膜に虚血がみられている状態ですが、黄斑部に病変が出ていなければ自覚症状がみられないことが多いです。ただこれを放置すると増殖網膜症(虚血状態になった網膜の血管とは別に新生血管が発生している状態)に進行してしまいますので血糖のコントロール以外にも網膜光凝固術によるレーザー治療で新生血管の発生を予防するようにします。

増殖網膜症

増殖網膜症になると、霧視、飛蚊症、視力低下などの症状がみられ、網膜に新生血管(血管自体がもろいのが特徴)が発生している状態です。そして同血管が硝子体まで伸びるようになると、それに引っ張られて出血を起こすようになります(硝子体出血)。また新生血管によって、増殖膜が発生するようになるのですが、これに網膜が引っ張られると牽引性網膜剥離など様々な疾患が起きるようになります。この場合も血糖のコントロールや網膜光凝固術(新生血管をレーザで凝固)が行われますが、それらで効果が見込めなければ硝子体手術(出血や濁りのある硝子体を除去し、増殖膜を切除する)が行われます。

診療科目
眼科
院長名
坂本 純平
日本眼科学会認定眼科専門医
住所
東京都板橋区高島平7-15-7-2F
アクセス
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